「農家レストランいぶき」とは

『農家レストランいぶき』は関東で初めて国家戦略特区の承認を得てレストランを農地に建設しました。

本来、農地は農業を行うための土地であり、農家さんの家と農機具倉庫以外のものはほとんど建てることが出来ないことが法律で守られています。

この特区制度は地域発展のために農地の有効活用をするという新しい取り組みで、日本の食を支える農家の在り方に新しい息吹をふきこむ制度です。

国家戦略特区とは

「国家戦略特区」は、“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う規制改革制度“

平成25年度に関連する法律が制定され、平成26年5月に最初の区域が指定されました。

古民家ホテル、外国人雇用、スーパーシティなど、既存の法律では行いことを地域限定で可能にするものです。

農家レストランいぶきで活用したのは「農家レストラン設置の特例」で、農地の上にレストランを建てるというものです。

本来は農業に使われるための土地なので、農家の住宅などの例外を除いては絶対に建物を建てることはできません。

6次産業化推進のための「特区」です

6次産業 = 1次産業(生産) × 2次産業(製造)× 3次産業(販売)

一言でいうと、農業という第一次産業だけでは収入が上がらないので、自分で農作物を加工して、さらに販売までできれば、農業から大きな収入を得ることができるようになるという取り組みです。

農家レストランがあれば、自分たちで育てた作物を調理という形で加工して、料理を食べてもらうという形で販売できます。

この新しい国家戦略特区の制度を活用させていただきたいと手を上げ、現在、「農家レストランいぶき」を運営するに至っております。

特区を活用したのが関東で初めてだったので、政治的にも注目していただき、たくさんの方が視察に訪れてくださいました。

その中には、元農林水産大臣の斎藤健さん、元地方創生大臣の梶山弘志さん、元環境大臣の小泉進次郎さんも含まれます。

「里山を再生」してたくさんの人に藤沢北部の自然を楽しんでもらいたい

株式会社いぶき(農家レストランいぶきを運営する会社)の代表取締役である冨田改は生まれも育ちもここ藤沢市遠藤で、造園業の会社もここで40年以上運営してまいりました。

「いつか地元に恩返しを」と長年思いながらも実現できなかった想いを65歳をまわって本気で活動に移し、『NPO法人 里地里山景観と農業の再生プロジェクト』を立ち上げ、藤沢市遠藤にある里山を地元の仲間と一緒に再生させ、山野草園『藤沢えびね・やまゆり園』を開園しました。

地元の仲間と共にボランティアで活動しているので入場料300円という価格で運営することができております。

https://satochi-satoyama.jimdofree.com/

「地産地消」を推進して農業の活性化の力になる

「農家が元気になれば景観は保たれる」

つまり、土地を持ちそして維持している農家を応援することで間接的に景観を良くすることになると信じ、地元の農家さんや藤沢市内で生産された食材を使うレストランを運営しています。

「自産自消」を推奨するという新しい取り組み

・「フードマイレージ」を考える

フードマイレージとは、「食料の生産地から食卓までの距離」のことをいい、この距離が長いほど輸送にかかる燃料の消費、二酸化炭素の排出量が増えるので、地球環境に対して負荷を与えることになります。

例えば、東京のコンビニエンスストアでお弁当を1つ買うとします。

中身を見てみると、鶏肉はブラジルから、魚はノルウェーから、お肉はオーストラリアから、小麦粉はアメリカから、お米は新潟から、じゃがいもは北海道から、野菜は九州から、といった感じです。お弁当1つ作られるために食材が移動した距離だけで考えれば世界1周できます。

これが食料の移動距離、フードマイレージです。

この距離が長ければ長いほど、移動のためにガソリンを使ったり、地球に対して負荷を与えることになります。

・「地産地消」を超える、地球に優しい体に嬉しい農業「自産自消」へ

みんなが生活を少し変えるだけで、フードマイレージは短くなります。

最近注目されているのは、「地産地消」という考え方で、「その地でつくって、その地で食べよう」です。

近所で育てた作物は収穫して直ぐに食べられるので、新鮮で美味しいうえに、移動中腐らないようにと冷凍したら保存料などの化学物質を使わないで済みます。

さらに、私がすすめているのは「自産自消」で、「自分で作物を育てて、自分で食べる」です。

「地産地消」よりもフードマイレージは短くなると同時に、自分が食べるものなので、野菜に農薬をかけたくないですし、肥料も良いものを使いたくなります。

結果、さらに新鮮で美味しく、安心安全な食べ物になります。

自然と食べ物や野菜の知識がつき、食べ物は体を作りますので健康に良い食べ物が何なのかを知ることになります。

そして農業をするということは外で適度な運動をすることなので、ストレス発散、健康な体作りができます。

・無農薬、無化学肥料の農地が地球温暖化の対策として注目されてきている

まず先に言っておきたいのは、農薬や化学肥料を反対しているわけではありません。

人間の胃袋を満たすために必要なことであることは間違いない。

ただ、農薬や化学肥料の正しい知識を持つことは大事。

最近では有機肥料を使えば地球温暖化の原因である炭素を地中に閉じ込めることができることで注目を集めています。

無農薬、無化学肥料の価値が上げれば、そうやって育てられた作物の価格が上がる可能性はある。

・新しいコミュニティとしての農業の可能性

食べ物は誰もが食べますので、「農業をしている」ということがみんなの共通事項になれば、その話をしたり、情報や食べ物を分け合う新しいコミュニティができあがり、そこには年齢の差も性別の違いも関係もありません

自分が育てた野菜を近所にプレゼントする「野菜外交」も楽しくていいですね。

・「半農半X」というスタイルの確立・・・日本人全員が農業にたずさわる日を目指して

いいことがたくさんあるにも関わらず、「自産自消」を行っている人は都市にはほとんどいません。

100年前は農家は人口の半分以上、現在は専業農家140万人

昔はみんなで農業をしていましたが、現代では少数の農家さんが大量の作物を育てています。

もうみんな農業のやり方さえ忘れてしまっています。

もちろん、みんな仕事や学校があるので、農業をずっとするのは難しいかもしれませんが、週に1日や、1日1時間毎日でもいいんです。こういうのを「半農半X」と言ったりもします。

仕事の半分は農業、もう半分で別の仕事をするということですね。半分ではなく、10%でも0.5%でもいいと思います。

みんなでちょっとずつ農業をすると、みんなにも、地球にもいいことだらけです。

そのためには「みんなが農業を楽しく続けられる場所」が必要になります。

みんなが農業に気軽に楽しく続けられる仕組みづくりを「農家レストランいぶき」で行っています。

それが「収穫体験」です。

「収穫体験」を通して農業にたずさわり、農業を楽しみ、農業を学ぶ、そしてそれは食を学ぶということにも繋がります。

そして農業という軽い運動と勉強の後には「農家レストランいぶき」で地元の新鮮食材と自家製の発酵調味料を掛け合わせた、美味しくて健康的な手作り料理を召し上がっていただく。

農と食で人々に豊かになってもらいたいのです。

生ごみを捨てないレストランになる

生ゴミはその成分のほとんどが水分で、焼却するのに大量のエネルギーが必要となります。

紙は火をつければ燃えますが、大根に火をつけても燃えないですよね。大根の中に水分がたくさん含まれているからです。

「農家レストランいぶき」では地球温暖化の原因とされている「二酸化炭素」の排出を抑えるため、レストランの調理から出る「生ごみ」を捨てることを最大限やめました。

生ごみは土に還せば資源となってくれます。

微生物たちが生ゴミを分解して、土の中に栄養として蓄えてくれて、また新たな植物を育ててくれます。

山の中で枯れ葉や動物の死体が土に還って、また木を育てるのと同じことです。

なので、「農家レストランいぶき」では誰でも生ゴミを土に還せる【コンポスター環】を開発して、まずは自分たちから生ゴミを捨てるのをやめました。

コンポスター環とは

「農家レストラン」の運営を通して、人々に豊かになってもらい、地球環境を改善する力にもなる。

これが「農家レストランいぶき」の挑戦です。